事件ファイル2


その結果、暴行犯の父親が自宅で土建屋を営み、実家で暮らす息子も父親と一緒に現場で働いていた、車の所有者堀田信二は犯人の父親で、息子の名前は俊夫(仮名)と判明。
従業員は、他にも2名いるようだが、日雇いに近い不定期の勤務のようである。

この段階で、家族の詳細な情報を入手、姉も含めて4人暮らしである事をつきとめた。

撮影した写真を依頼者に見せる。
 
「まちがいない こいつや!!」

写真に写っているのは依頼者を一番最初に殴った口ひげの男である。その後も、尾行・張り込みを行ったが、結局,山本を殴った残りの2人が堀田と行動を共にする姿を確認することはできなかった。

依頼者の意向としては、殴った男に目の前で謝って欲しい、他の2人の行方も知りたい、犯罪を立証する証拠が欲しいとの事。
犯人と直接接触するのはあまり好ましい事ではないのだが、依頼者の強い意向もあったので、依頼者の友人を装って、堀田の家へ向かった。

堀田の父親に事情を説明、まずは本人の自供を証拠として引き出したかったので、「息子さんが謝罪さえしてくれれば、山本も納得すると思うんですが」とできるだけ穏やかに責めていき、本人との話し合いの承諾を得た。

待ち合わせの場所へやってきた堀田は、開口一番「おまえが煽ってきたからやろう!」等、反省のない言葉を吐き始めたたが、調査員の説得もあり、最終的には、おとなしく謝罪文を書き、拇印を押してくれた。

また、話し合いの中では、「いつ、どこで、誰が、なにをやったか」等を堀田に詳しく自供させ、証拠は後日、依頼者が警察に引き渡した。

しかし、残念な事に残りの二人の犯人はすでに堀田の仕事場を辞めており、所在を聞き出す事はできず、残りの犯人の調査を継続する事となった。

残りの犯人のうち1人は、堀田から聞き出した情報から、住所・氏名を調べあげる事に成功したが、手掛かりのない最後の一人の居所がわからず、調査が行き詰まってしまった。

最後の一人に関しては、有力な情報がなく、対象者を識別する写真も何もない状態なので非常に辛いところである。

ここで調査の進展を図る為、急遽、堀田と同じ現場で働いていた50代のおじさんを協力者として確保する事にした。おじさんも犯行時、堀田と同じ車に乗っていた為、最初は調査に非協力的な態度を取っていたが、調査員が再三にわたって口説き落とし、このおじさんを急遽、臨時調査員として雇い入れる事にした。

おじさんの証言によると、最後の犯人の名前は石井武雄(仮名)、21歳、堀田を調査する1週間前までは現場で働いていたが、些細な事でトラブルを起こしてから職場に来なくなったらしい、無類のパチンコ好きで西成区内のアパートで一人暮らしとの事、大体の住所までは絞り込んでいた為、近所のパチンコ屋で見回りを開始、2日後に区内のパチンコ店で石井を発見した。

すぐに パチンコ店に車両群をスタンバイさせ、帰宅する対象者を尾行して現住所の割り出しに成功、調査結果を依頼者へ報告して調査を終了した。

この件に関しては、後日、依頼者から電話連絡があり、調査結果を元に集団暴行犯の3人は、全員逮捕されたとの報告を得た。

依頼者も、3人の逮捕には納得した様子で、「以前は仕事をしててもあいつらの事を考えてたら、仕事が手につかなかったんですが、今は毎日、穏やかな気持ちで過ごせます」と声のトーンも明るい、事件が解決して本当に良かったと思う。

又、「刑事さんが優秀な探偵さんですねって言ってましたよ」と言われてしまった。

これくらいの事で優秀と言われてしまうようでは困るのだが。


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