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調査機材について

 探偵の調査機材について

私の知り合いには、70歳を越えてもまだ現役で活躍している探偵がいます。 本業は別の仕事をされているのですが(そちらも未だに現役)、絶対に探偵には見えない風貌も手伝って、 うちの臨時調査員として非常に有能な働きをしてくれます。 もともと探偵という仕事が好きで、40年前にも、知り合いの探偵社で調査を手伝っていたことがありました。 その時に使用していたカメラが、上着のボタンの中にレンズを埋め込んだ特殊なカメラです。 このどこから見てもカメラに見えないカメラはナチスのヒトラーが世界に3台だけ作らせたうちの一台で、 戦後の引き上げ時に満州から持ち帰ったものだそうです。 今とは違い、ピンホールレンズやCCDもなかった時代、そのカメラをコートのボタンに隠し、ホテルを出入りする対象者を堂々と撮影できたといいます。
現在では、多くの種類の調査機材が広く流通しているため、調査機器に事欠くようなことはなくなりました。 通常なら絶対に調査することが不可能に思える状況でも、一台の調査機材で解決することもあります。
ある意味、これらの調査機材があれば誰でも探偵になれるのではないか? と錯覚する人もいますが、実際の現場ではそうはいかないのが実情です。
これだけ機材が進歩したとしても、機材に頼らなくても十分に結果が出すことができる職人としての技量、 臨機応変にあらゆる状況に対処できる能力が一番重要だと思います、 そうした探偵としての基本が身についてはじめて、最新の機材も有効に活用できるのではないでしょうか。

*(注) 使用頻度は当探偵事務所においての使用頻度です。




<デジタルカメラ>   使用頻度 ★★★★★

かつてはアナログの一眼レフカメラが王道とされていましたが、現在はデジタルの方が主流です。 いわゆるデジカメですが、当社ではコンパクトなデジカメを偽装してスパイカメラ仕様にしてありますので、 使用頻度はかなり高いです。 現在のデジカメは民生品でも1000万画素以上、ISO感度6400以上の物が出回っており、 「画質や感度でアナログに劣る」という評価は過去のものになりつつあります。 また、フィルム交換を気にすることもなく、撮影した対象者をその場で確認できるので調査現場では助かります。
現場で使うデジカメを選ぶ時のポイントとしては、電源を入れてから撮影可能になるまでの起動時間、 CCDの感度の良さ(CCD素子のサイズやフィルターにも左右されます)、 ある程度の連写ができることも重要な要素です。その上で偽装しやすい物であれば、なお良いですね。 偽装する場合であれば、ズーム機能は捨てても良いように思えます。 画素数が500万画素以上あるカメラの場合、VGA(640×480)サイズでかまわないなら、 光学ズームと同等に近い画質で撮影できますし、最大ピクセルで撮影して必要な個所だけトリミングしてプリントすれば、 擬似的な望遠撮影にもなります。
また、CCD素子は赤外線に反応しますので、デジカメのレンズやCCD前部にある赤外線カットフィルターを取り除いて ストロボ等にIRフィルターを貼り付ければ、わりと簡単に赤外線カメラにもなります。 通常のカメラと違って赤外線フィルムが必要ないので、 調査のときに赤外線仕様デジカメが一台あれば何かと便利です。
一眼レフカメラは現在もアナログ式を使うことがありますが、やはりデジタルに移行してきています。 一眼レフは大型で重く、明らかにカメラだと分かる外見が弱点ですが、 なんと言ってもレンズが必要に応じて自由に交換できるという大きな利点があります。 持ち歩いて使うというより、車内からの超望遠撮影等に本領を発揮します。

<デジタルビデオカメラ>   使用頻度 ★★★★★

対象者を連続撮影できるビデオ映像は証拠能力も高く、不倫のカップルが仲良く手をつないでホテルから出てくる様子や、 ときにはそれ以上に生々しい実態をリアルに映し出すことができます。
ひと昔前まではアナログカメラでしたが、現在は、DVテープ、HDDやDVDを内蔵したレコーダーが主に使われています。 デジタルは元々の画質がきれいなのに加え、データが(原則として)劣化しないのが最大のメリットです。 また、様々な外部インターフェースを備えている製品も多いため、オプションをうまく組み合わせれば 探偵ならではのアクロバティックな撮影方法も実現可能です。 さらに、他のカメラ(ピンホールCCDや暗視レンズ等)で撮影する場合、 外部入力を使えばレコーダーとしても活用できます。

<スパイカメラ>   使用頻度 ★

デジカメやコンパクトカメラを偽装するのではなく、最初っからスパイカメラとして作られています。 非常にコンパクトなのが売りで、サイズも100円ライターと同じくらいの大きさです。 スパイカメラではドイツのMINOXが有名ですが、以前これのOEMが富士フィルムから出ていました (MINOX−MXのOEMかと思います)。その名も「MC−007」で、 当探偵社も、所有しておりますが、 実際の調査での使用頻度はあまり高くありません。
フィルムが特殊なので現像に時間がかかるのと、 現在はデジカメやコンパクトカメラを偽装した方が使いやすいというのが主な理由ですが……。
とはいえ、実際にこれで撮影した写真を見てみると、暗い所でも結構鮮明に撮れていますし、 手ブレも思ったほど気になりません。粒状感はありますが実用上問題ないレベルで撮れています。 フィルムサイズから考えると凄いと思います。

<望遠カメラ・暗視カメラ>   使用頻度 ★★★

撮影能力の比較」の実例を見れば一目瞭然のように、夜間撮影や遠距離からの撮影に絶大な威力を発揮します。 もちろん市販のカメラにもズーム機能や(擬似的な)暗視撮影モードを持っている物はありますが、 シビアな調査現場で使えるかどうかと言えば力不足な印象は否めません。 しかし、一部の探偵社ではこういった市販品の標準機能を指して「望遠カメラ・暗視カメラ」 と呼んでいるケースもあるため、依頼する際にはきちんとした専用機材を持っているかの確認をしましょう。

<三脚>   使用頻度 ★★★

調査での主役がカメラ類なら、それを支える三脚は「縁の下の力持ち」的な存在です。 一眼レフカメラやビデオカメラ等を固定しておく機材といってしまえばそれまでですが、主に車の中で使用する物、 建物の影で使用する物、ひっそりと地面に置いて使用する物と厳密にはいろいろな用途別に分かれています。
たとえば車の中や建物の影で固定して使用する場合は、重くてがっしりした作りの方が安定して良好な映像が得られます。 逆に、徒歩尾行がメインになる調査の場合は、そんなに重くて目立つ三脚を持っていく訳にはいきませんので、 手のひらに収まる小型の三脚をチョイスします。カタログスペックや値段だけを見て買うと、 三脚によっては重量のあるカメラをうまく固定できなかったり、カメラの微妙な角度調整にイライラさせたりたりするので、 少しばかり高くても、ある程度使い勝手の良い物を吟味して選びます。 固定したカメラをリモコン操作できる機能が付いた三脚等もあったり、なかなか意外と奥が深い機材です。

<広帯域受信機>   使用頻度 ★★★★★

盗聴発見調査に使う機材で、ワイドバンドレシーバーとも呼ばれます。 よく盗聴発見のドキュメンタリー番組等でアンテナが付いたトランシーバーのような(ハンディ型) 機材を見かけると思いますが、それも広帯域受信機の1つです。
探偵社によってはこういったハンディ型の受信機だけで調査を済ませてしまうところもありますが、 それだけではあまりに見逃してしまう盗聴器が多いため、当社では必ず据え置きタイプの広帯域受信機と、 後述するスペクトラムアナライザーも併用して漏れのない調査を実践しています。 機材の詳細については、専用ページがありますのでそちらも参照ください。

<スペクトラムアナライザー>   使用頻度 ★★★★★

盗聴発見調査における切り札ともいえる機材で、当社が業界で初めて調査に導入しました。 この機材の詳細を説明するのは大変ですが、要するに「目に見えない波形を視覚化」するためのツールと言えます。 随分と昔であれば広帯域受信機だけでも調査は可能だったのですが、現在はデジタル式の盗聴器・盗撮カメラ等、 より複雑な機器が一般にも出回っており、これらは従来の受信機だけでは検知が不可能になっています。
スペクトラムアナライザーを使えば、広帯域受信機だけで調査するよりも検知できる幅が圧倒的に広がりますが、 高額な導入コストと扱いの難しさが業者にとってネックになっています。 すべての業者がこういった機材を揃えられるのは、まだまだ当分先のことになるかもしれません。



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